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当たり前のことですが、同じトラックドライバー職でも会社によって、人によって給料は違ってきます。それらは日常業務に対する評価や勤務時間、様々な手当て(夜間手当、無事故手当等)など色々な要素があります。とりあえず、手っ取り早く収入を少しでも増やす方法として「資格の取得」があります。

資格取得にはお金もかかるし、手当自体は大したことないという意見もありますが、新たな資格を取得することで仕事の幅も広げることが出来ますし、転職する際にも選択肢が増えるはずです。そこで今回はトラックドライバーの仕事に関連する資格などについてお伝えしたいと思います。以下に資格取得のメリットをまとめてみました。

  • 出来ることが増えるので仕事の幅が広がる
  • 転職の際のアピールポイントになる
  • 転職する際に選択肢が増える
  • 収入が増える可能性あり(資格手当など)

かく言う私もトラックドライバーの仕事を始めて5年目に入った頃、会社の補助を受けてフォークリフト運転技能講習を受けることが出来ました。おかげで新しい仕事を担当できるようになりましたし、後々に転職する際にも資格取得が有利にはたらいたという経験があります。わずかですが資格手当ももらえるようになりました。

トラックドライバーの仕事の幅を広げることが出来る資格はフォークリフト以外にもいくつかあります。ここからは、それらの資格についてお話しようと思います。まずはオーソドックスな所で運転免許から始めます。

トラックの運転に必要な免許(普通免許を除く)

準中型免許

準中型免許の受験資格
年齢18歳以上
運転経歴必要なし
準中型免許の運転免許区分
車両総重量7.5t未満
最大積載量4.5t未満
乗車定員10人以下

準中型免許であれば、高校を卒業してすぐの新社会人でも一部のトラックの運転が可能になります。以前の中型免許のように2年以上の保有期間という条件も必要ないのでトラックドライバーとして働くなら挑戦した方が良いと思います。会社からの補助などもあるはずですから就職の際は要チェックです。

中型免許

中型免許の受験資格・適性
年齢満20歳以上
運転経歴普通・準中型・大型特殊免許のいずれかの運転経歴が通算2年以上
中型免許の運転免許区分
車両総重量11t未満
最大積載量6.5t未満
乗車定員29人以下

大型免許

大型免許の受験資格・適性
年齢満21歳以上
運転経歴普通・準中型・中型・大型特殊免許のいずれかの運転経歴が通算3年以上
大型免許の運転免許区分
車両総重量11t以上
最大積載量6.5t以上
乗車定員30人以上

大型も中型と同じく、トラックなら第一種免許で運転できます。運転できる車の種類も増えますので、結果として仕事の選択肢も増やすことができます。私は大型免許は所持していないので一般論ですが、給料は大型自動車の方が良いでしょう。ただし、免許取得のために自動車学校に通う場合は約40万円ほどの費用がかかります。

その他運送業界で役立つ免許・資格

フォークリフト運転技能講習修了証

受験資格 18歳以上

フォークリフト(最大積載荷重が1トンを超える)の運転技能講習修了証を取るための受験資格は年齢制限だけですので比較的チャレンジしやすい資格と言えます。

また、かかっても5日間という短期間なうえ、真面目に講習に取り組めば筆記、実技ともに試験はそれほど難しくないので取得しやすい資格です。ちなみに取得費用は約4万円です。(地域や講習所によって違いがあります。)

かかっても5日間と言いましたが、現在所持している免許や現場経験の有無(フォークリフト運転特別教育修了者)によって講習時間が違ってくるのでこのような表現になりました。

※ちなみに1t未満のフォークリフトは各運送業事業者で行う「フォークリフト運転特別教育」を修了すれば運転できます。フォークリフト運転特別教育の受講料相場は1万円前後です。

所持免許別のフォークリフト運転技能講習修了に必要な講習時間は以下の通りです。

保持免許・1t未満フォークリフト乗車経験必要な講習時間
免許なし、現場経験なし35時間
普通免許保持者、現場経験なし31時間
免許なし、1t未満フォークリフト6ヶ月以上経験者15時間
普通・大型免許保持及び1t未満フォークリフト3ヶ月以上経験者11時間
大型特殊免許保持者11時間

フォークリフトは運送業界はもとより、重量物を扱う様々な業界で利用されるので活躍の幅を広げることが出来ますよ。

小型移動式クレーン技能講習

受験資格 18歳以上

つり上げ荷重が1トン以上5トン未満のクローラクレーンや積載型トラッククレーン(ユニック車)などの移動式クレーンを運転できる資格です。

※小型移動式クレーンとは、『荷を動力を用いてつり上げ、これを水平に運搬することを目的とする機械装置で、原動機を内蔵し、かつ、不特定の場所に移動させることができるものの内、つり上げ荷重が5トン未満のもの』とされています。

なお、小型移動式クレーン技能講習を受講する場合も、かかっても約3日(20時間)という短期間なうえ、真面目に講習に取り組めば筆記、実技ともに試験はそれほど難しくないので取得しやすい資格です。ちなみに取得費用は約3万円です。(地域や講習所によって違いがあります。)

建設業、製造業などに従事する際に重宝する資格の一つです。その他にはピアノの運搬の際にもユニック車が利用されています。

玉掛け技能講習

受験資格 18歳以上

玉掛けの業務とは、クレーンや移動式クレーンなどで荷をつる際に、つり具(ワイヤロープなど)の準備、フックへつり具を掛ける作業、フックから用具を取り外す作業までの一連の作業のことです。

玉掛けの業務は、玉掛け作業者とクレーン運転者との連携作業であり、玉掛け作業を行うにはクレーン等の種類、特徴、構造、各機能、安全装置などについて理解することが必要です。そのため小型移動式クレーン技能講習と一緒に受講する人もいます。

なお、玉掛け技能講習を受講する場合も、かかっても約3日(19時間)という短期間なうえ、真面目に講習に取り組めば筆記、実技ともに試験はそれほど難しくないので取得しやすい資格です。ちなみに取得費用は約3万円です。(地域や講習所によって違いがあります。)

運行管理者資格

「運行管理者資格」ですが、これからトラックドライバーとして働こうという人にとっては初めて聞く資格かもしれませんね。運行管理者資格は国土交通省が認定する国家資格です。

その役割は一言で言うと自社ドライバーと車両の安全運行を管理・サポートするというものです。具体的な業務は以下の通りです。

  • ドライバーの乗務割の作成
  • 乗務記録の管理
  • 休憩・睡眠施設の保守管理
  • ドライバーの指導監督
  • 業務前後の点呼によ るドライバーの疲労・健康状態等の把握や安全のための指導

全ての自動車運送事業者は車両数に応じた人数の運行管理者を設置するように国から義務付けられています。

これからトラックドライバーとして働いてみようという人が直ぐに挑戦する資格ではないかもしれませんが、知っておいて損はないと思います。

経験を積んでいく過程でキャリアアップを考えるときに運行管理者資格も一つの選択肢になると思います。(私も現在勉強中です。)